マスターカード クレジットのこんな書籍

金融機関が預金保険機構に支払う保険料の算出にあたっては、ほとんどの国で保険の対象とならない大口の預金を含んだ預金全体が基準となっている。
このことが、預金金利に影響を及ぼす可能性がある。 具体的に考えてみよう。

法人や個人富裕層を主な顧客とする金融機関Aは、大口預金を中心とする預金構成をもっている。 保険料は、預金量全体に料率をかけたものだから、小口預金を扱う同規模の金融機関Bと同じ水準である。
ところが、仮にAの経営が破綻したとすると、預金保険から支払われる保険金は、Bが破綻した場合に比べるとはるかに少ない。 したがって、Aはいわば他の金融機関の預金者のために保険料を支払っていることになる。
もしAが預金保険に加盟しなければ、その分金利も高くできるだろう。 預金保険制度を小口預金者による小口預金者保護の制度と位置づけ、保険料の対象を小口預金に限れば、大口預金のコストが低下して金利が上昇する余地が生まれる可能性がある。
一方、小口預金の金利は現在より低下することも考えられる。 預金保険制度は、小口預金者の保護とともに金融システムの維持という目的をもっている。
金融システムの中核をなすのは決済機能だが、現在の預金保険は決済機能とは関係がない預金も対象としているため、金融機関の経営が破綻すると、多額の保険金支払いが発生する。 そこで、銀行を決済機能をつかさどる部分(コアバンク)とそうでない部分に分け、コアバンクの預金のみを保証の対象として、コアバンクには100%の支払い準備を義務づけたり、資産運用を国債など国の保証がある絶対安全な資産に限定するという考え方が、米国の学者の一部から提唱されている。


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